初体験、サクラマスのジギングに見るスイムライダー   「パパ大津留]








DAY1日目                        パパ大津留


410日からの青森取材。サクラマスのジギング釣行を記すが、何しろジギングでのサクラマスは初めてである。多くを述べ、そのテクニックや技術論を語っても説得力は無いだろう。初日の感想に留め、2日目の釣行は、同行の柳さんにお願いし、リレーのレポートにしたい。

「お~い、小宮くん。海のサクラマスは経験ないんだよ~。ジギングではどのぐらいのタックルを使うんだ~。PEは?リーダーは?」
こんな会話から始まった。
確かに、青森出身の私だが、サクラマスは北海道でのサーフキャスティングしか経験が無いのだ。
それは、ネーチャーボーイズのルアー開発に関わり、このあたりの釣りに精通している小宮君に聞くのが一番だろう。
ただ、春うららかな4月の中旬だが、季節の変わり目でもある。
その天候は落ち着かない上に、今年は寒気が居座ることが多い。
それは、太平洋側にある春の高気圧とせめぎ合うので、日本海に出来る低気圧が思いのほか発達することも多いだろうか。

当初はサクラマスが釣れている、海峡寄りの尻屋から出船する予定だったが、この前日あたりも日本海に出来た低気圧が発達した。それは、西風の強い冬の気圧配置になってしまい、風の抜ける海峡は難しい状況になった。
急遽、青森県は太平洋側の泊(とまり)港から、松福丸(三浦船長)にお願いをし、早朝4時半頃の出船が決まる。しかし、タックルを車に積み込み、三沢のホテルを出る際は、未だ暗い内から雪がチラついていた。日頃、八丈島の暖かい海に慣れている私だから、辛い試練だろうか。
遣り込んでいないフィールド、遣り込んでいない釣り、そして慣れていない寒さ、こんな三重苦の釣りで頼りになるのは、オールマイティーな鉄ジグと、同行してくれる小宮くんのサポートだろう。
取材とは言え、他にもアングラーは多い。ネーチャーボーイズの和田社長、スタッフの柳くん、岩崎さん、韓国からのキムさんやチョーさん。まあ、これだけいれば誰かが釣るだろうと気楽に構えるが、それも甘いだろうか。

ポイントは、泊港から東通りの沖まで、広範囲ではあるが魚の入りは少ないと言う。
ポイントが絞り込めないのか?周りを行き交うマスナタ船も、動きが鈍い。
僅かに、潜航板を使ってトローリングする漁船がポツポツ釣り揚げているようで、水面直下から30メートルぐらいが泳層だろう。
周囲を見回すと、他のアングラーは思い思いの鉄ジグにアシストフックを上下2本ずつ着けている。やはり、近年はスロージピッチジャークが隆盛を極めている。その影響も大きいだろう。

「小宮君、どのジグを使おうか~」
「そうですね、やはりスイムライダーショートかスピンライダーが向くでしょう、100gぐらいが良いと思います」

確かに緩い動きで、大きくバイブレーションするスピンライダーも聞くだろうが、私のように早めでキビキビ動かしたい場合は、スイムライダーのショートが向くだろうか。
「郷に入らば、郷に」ではないが、自分自身に確たるものがないのだから、彼の意見を聞くことが一番だ。

「じゃあ、小宮くんがジグを選んでくれ~、ただ私にもコダワリはある。確かに釣り易いように考えるのは一番だが、今回スローピッチではない。その場合、アシストフックを沢山つけるのを良しとはしないので、自前で作ったアシストを一箇所だけだ。リアとフロントだと、ドチラが良いかね~」

結局、スイムライダーのショート100gにフロントフックのみで釣りを始めることにした。
ここで念の為、述べると、私がアシストフックを一箇所だけにと言うのは、決して上下にフックを着ける事を否定する訳ではない。釣りにはそれぞれのスタイルが有り、その中で両方に着ける事が理にかなっている場合も多い。特に魚がバレ易い釣りには、圧倒的に両方を装着するのが良いだろう。
今回は、あくまでも早めのジャークを考える私だから、魚のバレに対しては遣り取りの技術で補い、むしろジグがエビになったり両方が絡むリスクを避けたい。更に、魚にも逃げるチャンスを作ると言うのも、釣りの向き合い方として私が大事にしているところでもある。

釣り始めて早々に、柳くんにアタリがあったようだ。しかし、どうもサイズが小さいようである。そして、キムさんとチョーさんも釣り上げるが、タラなどの根の魚だ。
私もレンジを探りながら丁寧にジャークを繰り返す。しかし、なかなか当たらない。
もっとも、探りながら疑心暗鬼の釣りなので、簡単にいかないのも承知だ。
やはり、全体的にも渋い状況が続き、他のジギング船でもあまり良い釣果ではないようだ。
着底から、タラを釣り釣り上げたが、その後はボトムを取らず40メートルほど落とした中層のジギングに集中する。その後は、小宮君の差し出したスイムライダーショート80グラム、レッドゴールドに付け替える。
まもなく、岩崎さんが3キロに近い良型を釣り、ようやく歓声が上がるが、それでも渋い状況が続く。









私自身も、よく掴めてない状況だが、ひたすら諦めない釣りを続けるしか無いだろう。まあ、これも私の釣りだから、頑張るしか無い。粘って粘って釣る、そんな1尾の感動も悪くはないはずだ。

そして、昼も回り、終了間近になってようやく中層でのアタリがあった。それは、30メートル台でのヒットなので、明らかにサクラマスだ。そして、ランディングの際に、多少の飛沫を飛ばしたが、難なくネットに収まった。大型ではないが、今回の釣行では大型の部類だろうか。







やはり、この釣果では語れないが、水深を読み、粘りに粘っての1尾であるから、私としては大いに嬉しい。
スイムライダー、泳ぐジグである。その中でも、其々のフィールドで対象魚によってはセレクトが変わる。今回は、大いに助言をしてくれた、小宮君の1尾と言っても良いだろう。





DAY2日目                        柳 賢太郎 
                             

この日も風の状況から、予定していた尻屋崎方面を諦め、泊沖での釣行となる。
はじめに、マダラ、根魚を狙い水深60100m前後の漁礁周りを攻める。
アフタースポーンから回復傾向にあるこの時期のマダラは100m以浅に、ベイトを捕食しに上がってくる為、ジギングでの格好のターゲットとなる。
アベレージは2~4kgと小型ではあるものの、数釣りが出来、その中に混じって10kg近い固体も現れる。
この日は10kgには届かないものの、8kgオーバーの良型も上がった。








そして、メインターゲットのサクラマスジギングへシフト。
昨日は、最大瞬間風速20mの強風下での厳しい釣り。2日目は風も若干は収まったが、サクラマスの反応は昨日より悪い。
ピークを終えた泊方面の魚影は薄く厳しい釣りとなった。
その中でも、貴重なサクラマスは2本上がり、内1本はまずまずの魚体であった。
2日間、春とは程遠い過酷な環境下の釣りではあったが、北国青森に春の訪れを感じさせる銀鱗は、とても美しく私達に感動を与えてくれた。
同じ東北の仙台在住の私にとっても下北半島は遠く、また道路状況も悪い為なかなか釣行の実現がしづらいフィールドであったが、来期のハイシーズンには、ぜひ再チャレンジしたいと思わせる素晴しいターゲット「桜鱒」だった。












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