秋田県能代の寒ブリ   [柳賢太郎]

木枯らしが吹き始める10月末ころから注目されるフィールドが秋田県能代沖の通称「テリ場」。
秋田県でも有数の漁場として有名なこのポイントは、6月頃より青物の回遊があるが、ピークは戻りのブリと呼ばれ、脂が乗った寒ブリが釣れる11月から12月に東北全土から熱きジガーが集結する。




118日大潮
この日は前日までの時化が収まる予報だったが、出船時間の4時を回っても西風10m以上が吹き荒れ、波の高さも2mを越えていた。
出船自体危ぶまれ、待機することを余儀なくされたが午前7時過ぎ、ようやく出船するとのの連絡が入り、急いで準備を済ませる。
流石は冬の日本海。港を出た瞬間からピッチの早い複雑な波が船を揺らす。
この状況で2時間以上走る。何回通っても「テリ場」は遠いのである。
2時間15分後、ようやくポイントに到着するも、2名は船酔いでダウン。
基本、船に強い私もダウン寸前だった。

結果から言うと、船中24kgのイナワラクラスが終始釣れ続く状況。
狙いのブリクラスをヒットに持ち込むのは至難の技。
23kgと言えども、この季節の青物はコンディション抜群で、これまた良く引くのである。
消耗する体力、リリースが出来ないダメージを負った魚だけでもクーラーは満タンに近い状態。
そんな中、同行の三浦氏がスイムバード150gをスイミング系のリトリーブジャークで10kg近いブリをヒットさせる。






8.95kg(血抜き後陸上計測)。
10kgには届かなかったが、船中唯一のブリ!羨ましい1尾。

この日、他船も同じ状況ではあったが、中にはブリの810kg、そして東北では貴重なヒラマサ10kgクラスも上がっていた様だった。




119日大潮
前日まで吹いていた西風は東よりの風に変わり、波も収まっていた。
出船は345分。真っ暗の中テリ場へ向かい、夜が明けると共にスタートフィッシング。
能代の船は、スパンカーを張ったバーチカルジギングでのスタイルがほとんどだが、この日は船長の提案で広範囲を攻める為、朝は風に対して横に流す、通称「ドテラ流し」でアプローチしてみることに。
やはり、昨日と状況は変わらず釣れ続くイナワラクラス。筋肉痛の体がさらに悲鳴を上げる。
水深60m 90m 110mと様々なポイントを探るも、やはり釣れてくるのは大きくても4kgクラスだった。
その後、船をバーチカルに戻し、反応に対してピンで攻める。
船長も魚探の反応、昨年のデーター、地形、ベイト、潮などを読み、ブリクラスの群れが付くであろうポイントを諦めずに探してくれる。
10時を回った頃、ようやく私にアベレージクラスとは違う重いバイトが来る。
2日間でようやく訪れた貴重なブリクラスと思われる引きに、何時もより慎重にファイトする。






後の計測で6.98kgだったが、久しぶりの良型に正直ほっとした1尾。
ヒットルアーは鉄ジグプロトタイプ225g。
沈下速度は速く引き抵抗は180g程度。水深70110mの水深を攻略するのに適しており、まだテスト段階ではあるが、東北のブリ攻略に対し手応えを感じている。
その後、同様の釣り方で56kgの魚を追加することが出来た。

そして、最後の一流しにドラマが起こる。2日間、諦めずにシャクリ通していた女性アングラーがラスト一投でビッグバイトを捕らえる。






上がってきたのは2日間を通しての最大魚






惜しくも10kgには届かなかったが、血抜き陸上計測で9.02kgの太い寒ブリだった。
アイアンウィップIWNB-622にカレントライダー180g(アルミシルバー)での組み合わせでヒットに持ち込んだ。引き味が軽快なカレントライダーは柔らかめのロッドとの組み合わせで、力の弱い女性でも1日引き倒せるのが魅力。






弱い入力でもレスポンス良く反応するカレントライダーは、スライドアクションで発生するラインスラックをしっかりコントロール出来るハイギアタイプのリールを選択するのがバーチカルジギング時のコツである。

この日、他船では14kgという特大サイズのブリが上がっていた模様。



能代の寒ブリシーズンは始まったばかり。
出船率が下がるこの季節はギャンブル性が高いが、やはり夢があるフィールドであることは間違いない。
同じ日に同じポイントで14kgクラスが上がっていたという事実。
目標の10kg越え、夢の15kgオーバー目指し、今年も通うことになる能代の海からのレポートでした。




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