八丈島のシャローゲーム [柳 賢太郎]

2015521日/522

今年は春先より水温の上昇が遅れていた八丈島周辺。
5月GWからは水温も安定していたが、例年より低い水温で定位し比較的浅い水深のポイントでカンパチが活性しているとのことだった。
パパ大津留氏より事前に小岩戸岬沖を中心とする水深2050mと浅いシャローエリアを中心に攻めるプランを伝えられていた。

近年カンパチといえばスローピッチというイメージも否めない。
私も東北の青物や根魚を相手に状況に応じてスローピッチスタイルでの釣りも選択している。

しかし、パパのストロングスタイルをリスペクトする私は、この日の為にPE8号 リーダー170lbのヘビータックルを用意し、根擦れによるラインブレイクのリスクが付き纏うシャローのカンパチに万全の準備をして挑んだ。

1日目
ポイント到着し、勢寿丸の船長から告げられた水深は25m。目の前には小岩戸岬が悠然と構えている。


カレントライダー220gのプロトタイプを軽くキャスト。潮に乗せて沈め、斜め前方の軌道にコントロールする。着底しロングストロークでジグを横方向にスライドさせるワンピッチにて状況を探る。

早速パパにバイトが連発。ベイトタックルによるショートのワンピッチでヒットに持ち込んでいた。小型のカンパチではあったがこの魚が私にとって大きなヒントとなる。

ロッドのふり幅を狭くし、ラインスラックを少なめにコントロールし横方向のスライド幅を抑え気味にしゃくると一発で答えが返ってきた。
上がってきたのは6kgほどのカンパチ。PE8号リーダー170lbでも食ってきてくれることが分かった。


その後は、パパもしっかりとサイズアップ。
シャローエリアを広範囲に攻めるためスピニングタックルに持ち替えてのヒット。ジグはカレントライダー180g。8kgはありそうな魚体。





私も直後にカレントライダー180gピンクヘッドへチェンジ。ジグを潮流にのせてフワリフワリとカレントライダーが得意とするホバーリングアクションを取り入れながら誘うと中層で引っ手繰られる。水深は約20m。ハイドラグかつIRONBOWが得意とするリフティング力でロッドをしっかり曲げこみトルクで難なく浮かせる。浅いので勝負はあっという間だ。
パパのカンパチと一緒に記念撮影。


船上計測で約10kg程のカンパチ。久しぶりの10kg級のカンパチに喜びもひとしおだが、理想は高く目指すは20kgオーバー。

その後もパパと2人、試行錯誤しながら大型カンパチを狙うが、カンパチの他ヒラマサも含めコンスタントにヒットは得られたものの最大は10kg弱といったところで1日目は終了。






カンパチとしては決して大型ではないが、小岩戸特有の早い潮流、そしてリスキーなシャローゲーム。ラインが出せないスリリングなファイト。ストロングスタイルの醍醐味を味わい、ジギングの楽しさを再実感することとなった。






2日目
この日は、夜明け前からの出船。途中、朝日が次第に昇り、八丈島の美しい夜明けを見ることが出来た。みんなこの風景を写真に収めるべくスマートフォンを手にするが、私の頭はカンパチで一杯。朝日を楽しむ余裕なんてなかった。



まだ薄暗い中、ポイント到着。潮は緩いが動いてはいる。
待ちに待った投入の合図。昨日の疲れ、筋肉痛を心地よく思いながらジャークを繰り返す。

完全に日が昇り周囲も明るくなった頃に待望のジグを引ったくる目の覚めるバイトが私のIRONBOWを曲げる。潮に流され、ラインも水深以上に出してからの着底。ラインスラックを回収してからの2シャクリ目のヒット。ボトムスレスレのヒットであった。
「ジジッ」とドラグが滑るがハイドラグの設定の為それ以上は出ない。パパのアドバイスを思い出し、少しでも巻いてカンパチの頭の向きを変える。あとはIRONBOWのトルクを活かし徐々にカンパチを浮かせる。



上がってきたのは10kgクラスのカンパチ。
大ドモでプロトロッドの最終チェックをしていた山本氏も回収した瞬間に中層でヒット。
その魚も10kgを越える魚体であった。



朝の内はシャローエリアのキャスティングゲームの開拓をすべく、トップウォータープラグをキャストし続けていたパパ。その後ジギングタックルを手にし、すぐに追いつくかの様に、即座に10kgクラスのカンパチを手にするところは流石である。




外房エリアや近海ブリ、ヒラマサを想定しているプロトロッド「IRONRANGE」(8月発売済み)の最終チェックを進める山本氏も、仮想外房といったキャスト&ジャークで中層のヒラマサをキャッチ。
シャープなロッドながらジグを過度に跳ね上げすぎないティップは、カレントライダーとの組み合わせも抜群だ。



その後パパが良型カンパチや嬉しい外道である大型ハガツオを手にする。明日はイベントが控えている為、この日は午前中に上がる予定。

最後の一流しと決め、2日間を通して少し深めの35m~50mのブレイクを狙う。
ミヨシで仮想外房春マサを意識し中層に浮いた魚に照準を合わせて攻めていた山本氏に最大クラスの魚がヒット。それを見ながら中層までシャクッていた私のジグも引ったくられる!激しく流れる中層の潮に乗って泳ぐカンパチは2日間を通して最大のファイト。
IRONBOW IBNB-595のトルク、そしてヘビータックルの優位性を活かしグイグイ寄せる。浮いてきたのはやはり10kgクラスの良型カンパチ。
より中層でゆっくり見せるためにセレクトしたカレントライダー150gレッドマスクゴールドでのヒットだった。



近海ブリ、ヒラマサを想定しているプロトロッド「IRONRANGE」(8月発売済み)で掛けた山本氏は一進一退の攻防が続いている。しかし、その細身で反発力のあるブランクスからは想像できないパワーで浮かせた魚は2日間を通して最大のカンパチ。



船上計測で13kgオーバー。同じくカレントライダー150gで仕留めた魚だった。
IRONRANGEの想定しているターゲットではないカンパチだが、IRONRANGEの性能を証明できる1本であったことはは間違いない。




難易度が高いと言われる八丈島。私自身5回目となる八丈釣行で一番魚を出せた2日間だった。パパの推奨する太糸でのジギングは、「掛けた魚は必ず獲る」「獲れなければ掛けるな」というポリシーから来るもの。魚の活性が低く食いの立たない状況でも糸の太さを理由に細糸にしたりはしない。ブレないパパのスタイルである。

私自身は状況に応じてラインの太さを変える釣人だが、今回PE8号のジギングを経験し、太糸だから食わないという概念は消えた。太糸だからこその食わせる為の工夫があり、それが答えとなって帰ってきてくれたときは、とても嬉しかった。
また、ジギングを始める切欠となった「強いタックルで強い魚と力一杯、全力で対峙したい」という淡い思い。

どんなジャンルの釣りでもストロングスタイルに憧れが強かったあの頃。
そんな昔、描いていた思いが蘇ってくる釣行だった。

使用タックル(柳)
シャロー用
IRONBOW IBNB-604
STELLA SW18000HG
YGK PE8
Seaguar フロロリーダー170lb

ディープ用
IRONBOW IBNB-595
SALTIGA Z6500EXP
RPS18000S
YGK PE5
YGK フロロリーダー100lb+170lb

リギング関連
Fishing Fighters
鉄腕スーパーSUSBBスイベル#4
鉄腕スプリットリング#7.5
鉄腕WDソリットリング#5.0
DEVIL LINEBlack Devil)50  2本拠り


ジグ
NatureBoys
鉄ジグ
カレントライダー
150
180
224gプロト(220gとして7月に発売済み)


フック

がまかつ バーチカルヘビー#7/0

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